ドローンの飛行距離はどれくらい?飛行距離や目視外飛行の注意点
2024.11.30
ドローンを飛ばす際、安全を確保するためにも、機体の飛行距離を把握しておくことは重要です。また、飛行距離を把握することで操縦のコツも掴みやすくなります。
この記事では、ドローンの飛行距離の基礎知識や注意点、そして業務の種類によっては欠かせない「目視外飛行」について解説します。
ドローンの飛行距離は何メートル?
ドローンの飛行距離は、機種や機体のサイズ、通信方式によって異なります。
重量100g未満の小型ドローンは飛行距離が短く、100m以下のものがほとんどです。一方で、大型ドローンでは2000〜4000m程度の飛行が可能な機種があります。
ドローンの通信方式には、送信機(プロポ)とスマートフォンアプリ(Wi-Fi接続)があります。送信機を利用する場合、伝送距離を最大に近づけることができ、2〜4km以上の飛行が可能です。一方、スマホアプリを使用する場合、電波を飛ばす性能の問題で飛行距離は短く、80~100m程度とされます。そのため、本格的な長距離飛行をしたいなら、送信機を用意する必要があるでしょう。
しかし、人口集中地区(DID地区)において無人航空機を飛行させるためには、国土交通大臣の許可が必要なため、飛行場所やルートをきちんと確認し注意が必要でしょう。
出典:一般社団法人 全国ドローン災害対策連絡会「ドローンの最大飛行距離の目安ってどれくらい?」
ドローンの飛行距離に関する注意点
ドローンは、より長く、あるいは高く飛ばせば良いというわけではありません。ドローンの飛行にはさまざまな法規制や制約があり、飛行距離(目視できるかどうか)や高度に関しても制限されているためです。
目視圏内の飛行であれば、許可申請なしでドローンを飛ばすことができます。「目視圏」とは、操縦者がカメラや双眼鏡を使用せずに機体を確認できる範囲のことです。
目視外でドローンを飛行させたい場合は、国土交通省へ許可申請が必要となります。
またドローンが飛行できる距離は、以下のようにさまざまな条件に左右されます。
- 障害物などの環境
- バッテリー容量
- 高度
先ほど解説したドローンの最大飛行距離1,700~2,000mとは、障害物がない状態のデータです。実際にドローンを飛ばす時は、周囲に建物などの障害物があることが多いでしょう。障害物がある場合、DID地区等の環境によって飛行距離と通信距離は変わるので、飛行場所やルートを確認するなど注意が必要です。
また、バッテリー容量も飛行距離に大きく関係します。長距離を飛行させたい場合は、バッテリー容量の大きい機種を選びましょう。また、飛行中のバッテリーの消耗が激しいと飛行距離が短くなってしまいます。一般的に、重量が重いドローンほどバッテリーの消耗は早くなります。また飛行条件や天候によっても異なり、高高度での飛行、低温状態での飛行などはより多くのバッテリーを消費します。
飛行距離だけでなく、高度にも注意が必要です。地上・水上から150m以上の高度でドローンを飛行することは、基本的に禁止されています。高度150m以上の飛行をしたい場合は国土交通省へ許可申請が必要です。
ドローンの目視外飛行をする際の注意点
先に少しご紹介した「目視外飛行」は、ドローンを使用した点検作業や警備、空撮などを行う時に欠かせません。目視外飛行について、さらに詳しく見ていきましょう。
ドローンの目視外飛行とは?
双眼鏡やカメラとモニターを使用し、離れた場所からドローンを観察しながら飛行させる方法を「目視外飛行」とよびます。目視外飛行は誰でも自由にできるわけではなく、いくつかの条件をクリアする必要があります。
通常は航空法第132条86第2項第2号により、無人航空機の位置や姿勢の把握、周辺で人や障害物などがないかの確認ができるよう、目視による常時監視を行いながらの飛行に限定されています。
ここで「目視」とは、操縦者本人が自分の目で見て操縦をすることです。双眼鏡やカメラを用いて見ることは、視野が限定されるため目視にあたりません。一方、バッテリー残量を確認する目的などで一時的に目を離し、モニターを確認することは目視内飛行の範囲内とされています。
目視内飛行ができる距離の目安は一般的に100~200mとされます。これを超える距離を飛行させる場合、目視外飛行になる可能性があります。
また、建物などの障害物によって視界が遮られ、ドローンを直接目視できない場合も目視外飛行に含まれます。
ただし、国土交通省へ許可申請を行い承認されれば、目視外飛行が可能となります。国土交通省では、目視外飛行ができる要件を以下のように定めています。
(1)機体の基準
- 自動操縦システムがあり、機体のカメラなどで機外の様子を監視できること
- 地上からドローンの位置や、異常の有無を把握できること
- 電波断絶など不具合発生時に危機回避機能が正常に作動すること
(2)操縦技量
- モニターを見ながら、遠隔操作によって飛行でき、安全に着陸できること
- 必要な能力が身についていない場合は、第三者が入らないように管理した場所において、目視外飛行の訓練を行うこと
(3)安全確保の体制
- 飛行経路やその周辺を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、ドローンの飛行状況や周辺の天候変化などを監視できる補助者を配置すること
出典:国土交通省「無人航空機の目視外飛行に関する要件」
国家資格に加えて限定解除が必要となる
目視外飛行を行うためには、国土交通省へ許可申請を行う必要がありますが、これには「10時間以上の飛行経験」が必要です。ただし、ドローンの国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」を取得することで、10時間以上の飛行経験を持つ証明となり、申請手続きを簡略化できます。
また国家資格を持っていても、目視外飛行をするためには「限定解除」を行う必要があり、追加で試験を受けることになります。目視外飛行の限定解除の試験は、以下のような構成となっています。
- 1.机上試験
- 2.口述試験(飛行前点検)
- 3.実技試験
- 4.口述試験(飛行後の点検および記録)
実技試験は、受験者がドローンの機体に背を向けて目視できない状態で行います。
基本的なテクニックから上級者向けテクニックまで、一定以上のスキルが求められるため、合格するためにはしっかり訓練する必要があります。
出典:国土交通省「目視内飛行の限定変更に係る実地試験」
目視外飛行をするために10時間以上の飛行経験を積もう
ドローンの飛行距離は、機種や飛行する環境などによって異なります。しかし、目視内で飛行できる距離は100~200m程度です。これ以上の距離を飛行させたい場合は、目視外飛行の許可申請手続きが必要となるでしょう。
この手続きを行うためには、10時間以上の飛行経験が必要です。しかし、ドローンの操縦には広いスペースが必要であり、練習場所は限られています。そこでおすすめしたいのがドローンスクールで訓練する方法です。
サイニチドローンスクールは、関東最大規模の屋外フィールドや、雨の日もドローンを飛ばせる屋内練習場を完備。まだ飛行経験がない初心者の方も安心して練習できます。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
カテゴリ
メールにてお問い合わせ
お電話がつながらない、営業時間外の場合は、
お問合せフォームよりご質問ください。