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ドローン測量の手順を5ステップで解説
測量方法やメリット

空撮の印象が強いドローンですが、近年は建設現場を中心に測量に活用する例も増えています。時間やコストの削減、山間部での調査が容易になるといったメリットがありますが、具体的にはどのような作業をするのでしょうか。

今回はドローン測量について、手順を5ステップに分けて紹介します。そのほか、従来の測量と比較したメリット、必要な機材についても解説するので、活用の参考にしましょう。

ドローン測量は2種類ある

ドローン測量は、搭載した機器で空中からデータを取得する方法ですが、「ドローン写真測量」と「ドローンレーザー測量」の大きく2種類に分類されます。

ドローン写真測量

ドローンにデジタルカメラを搭載して空中から撮影し、その写真をもとに地形や建造物を測量・記録する方法です。

ドローン写真測量を活用することで、効率的かつ迅速な測量が可能となり、特に大規模な地域や複雑な地形を含む場所で有効です。一方で、光量の不足などにより対象物が写っていないと情報が取得できないデメリットをあわせ持ちます。

ドローンレーザー測量

ドローンにレーザースキャナを搭載し、レーザーが地表や建造物などに反射し跳ね返るまでの時間を計測することで、精密な三次元測量を実現する方法です。写真測量が難しい場合でも、レーザーであればデータ取得が可能なことがあります。

高精度な測量を実現できる一方で、レーザー装置は高額な点に注意が必要です。

ドローン測量のメリットは?従来の方法と何が違う?

ドローン測量は従来の測量方法とどのような点が異なるのでしょうか。ここからは、ドローンを測量に活用するメリットをご紹介します。

時間・コストの節約

まず、測量にかかる時間とコストを大幅に節約できます。

従来の測量方法では、作業員が手作業で計測を行う必要があり、測量に多くの時間や人員工数がかかります。ドローン測量に切り替えることで、測量自体にかかる時間やコストの削減に加え、精度の高いデータを取得することが可能です。測量後のデータ分析や製図作成などの業務における時間の削減も見込めるでしょう。

アクセス困難な場所でも容易に測量可能

山奥や災害現場のように人が立ち入れない場所でも、ドローンであれば測量できる可能性が高いです。特にドローンレーザー測量であれば、樹木が多い山林でも地表を測定できるため、人手や写真を用いた測量よりも詳細かつ正確なデータを得ることができます。

土地調査から開発計画まで幅広いニーズに対応可能

ドローンを操作することさえできれば、小規模な土地の調査だけでなく、大規模な開発計画など幅広い土地や測量ニーズに対応することが可能です。

このように、ドローン測量にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。

広範囲の測量ではバッテリー交換が必要になることや、写真やレーザーで捉えきれない場所があることがその一例です。

測量の目的や対象物を確認し、ドローン測量に適しているかは都度判断するようにしましょう。

ドローン測量に必要な機材

ここからはドローン測量を行う場合に必要な機材をご紹介します。


まず、「測量用ドローン」を用意する必要があります。

測量用ドローンを選ぶ際には正確な航法システムやセンサーを搭載したドローンを手配するようにしましょう。測量する土地の広さに応じてドローンの駆動時間なども確認します。


ドローン測量には専用の「測量ソフトウェア」が必要です。これにより、写真などのデータを処理し、地形モデルや点群(ポイントクラウド)などを正確にかつ素早く生成できるようになります。

また、遠隔地での操作には、無線通信機器やモバイルデータ通信機のような「通信機器」も欠かせません。ドローンと作業員の通信が安定していることで、測量作業の安全性や効率性が担保されます。


そのほか必要に応じて追加機材(GPSやGNSSなど)やアクセサリー(カメラのフィルターやレンズキットなど)を取り付け、効率よく精度の高い測量を行いましょう。

ドローン測量の手順

続いて、ドローン測量を行う際の具体的な手順を5ステップに分けて紹介します。

ステップ1:現地調査

より精度の高い測量データを得るために、ドローン測量前は足を運び現地調査(踏査)を行います。障害物や通信状況などを人の目で確認し、ドローン測量を問題なく実施できるか確認が必要です。

また、ドローンが飛行できる空域は法律で定められており、飛行許可・承認手続きが必要になる場合もあります。適切な許可を取らずに飛行させた場合、懲役や罰金を科される可能性もあるため注意しましょう。

ステップ2:飛行ルートの作成

調査結果をもとにドローンの飛行ルートを作成します。専用の測量ソフトウェアを用いて、最適なルートや高度、飛行速度、カメラの角度、写真の画質などを設定します。この作業により取得データの精度が変わるため、事前調査の情報を正確に確認しながら進めましょう。

飛行許可を申請する場合、飛行計画の通報と飛行日誌の作成を行う必要もあります。国土交通省が公開しているマニュアルなどによく目を通すのがおすすめです。

ステップ3:GCPの設置

GCPとは(Ground Control Point)の略で、地上の標定点を指します。従来の測量トータルステーションと同じ役割を果たします。

このGCPを設置することで、ドローンの正確な高度や距離など三次元的な位置を計測することができるようになり、データを活用して正確な測量が行える仕組みになっています。

ステップ4:ドローン空撮

ステップ2で作成した飛行ルートに沿って実際に撮影を行います。

ドローン測量の際は、地点を往復するラップ撮影を行います。ラップ率は、縦方向80%以上、横方向60%以上と定められているので、この通りドローンを操作し設定しておきましょう。

撮影が終わったらデータの取得状況を確認し、不備や問題などがあれば再度ドローンを飛ばし、同様に測量します。

ステップ5:専用ソフトで解析

最後に、ドローン測量で取得したデータを専用ソフトを使用して解析します。検証を行う場合には、パソコンで点群データやオルソ画像を作成し、標定点の座標と実測値を比較しましょう。

検証結果が問題なければドローン測量は完了です。測量データを活用して必要な図面作成に活かしましょう。

ドローン測量のスキルはドローンスクールで学べる

今回はドローン測量の手順を中心に解説しました。従来の人が中心に行う手法と比較してもコストや運用面でメリットが多く、建築現場では今後も活用が進むことが予想されます。

ドローン測量には操縦だけでなく、飛行ルートの作成やソフトウェアを用いた解析などスキルも必要です。測量スキルを証明する民間資格も提供されており、取得することで業務の幅も広がるでしょう。


特に、DSEROの「ドローン測量管理士」は、国土交通省の「令和5年度公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」に登録されており、公共工事に関する調査や設計業務において活用が見込まれます。公共工事への参画が多い企業は、資格取得を推進することで受注の増加を期待できるでしょう。


DSERO認定校のサイニチドローンスクールでは「測量基本技術コース」を提供しており、東日本で唯一「ドローン測量(管理士・技能士)」の資格取得に必要な知識を学べる機関です。ドローン測量に力を入れる企業や測量担当者様はぜひ受講をご検討ください。

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