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ドローン測量で求められる精度の高さを解説
精度の高めて仕事に活かす方法

ドローンの測量

省力化が期待され、国土交通省も活用を推進しているドローン測量は、建設現場や公共工事でも導入が進んでいます。

ただし、従来の測量手法と同様に精度の基準が定められており、測量に使用する場合は精度を高めるための取り組みも必要です。

今回はドローン測量に求められる精度の具体例と、精度を高めるための方法をご紹介します。

ドローン測量の「精度」とは?

ドローン測量とは、ドローン(小型無人機・UAV)に搭載されたカメラやセンサーを使って地上を撮影し、地形などを計測することです。地上測量や有人航空機測量と比較して、低コストで実施できるため、近年は導入する現場も増えています。


また、2015年より国土交通省が推進している「i-Construction」で、ICT活用施策の1つとしてドローン測量が期待されています。公共測量や出来形管理のような高い精度が求められる測量でもドローンは活用されており、測量の精度を高める取り組みが必要といえるでしょう。


ドローン測量における「精度」とは、ドローンが撮影した写真やデータをもとに、地表の位置や地形、寸法をどれだけ正確に把握できるかという指標のことです。この精度はドローンの機体性能やカメラの解像度、データ処理技術などの影響を受けます。

次に求められる精度について具体的に解説します。

ドローン測量で求められる精度の高さ

土木工事や建築の現場では、微細な地形の変化も正確に捉えることが重要で、ドローン測量であっても高い精度が求められます。

国土地理院が作成した「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」では、以下の表のように数値地形図を作成する際の基準が定められています。

地図情報レベル 水平位置の標準偏差 標高点の標準偏差 等高線の標準偏差
250 0.12m以内 0.25m以内 0.5m以内
500 0.25m以内 0.25m以内 0.5m以内

※地図情報レベルは地図の縮尺に相当する

また、撮影データをもとに三次元点群を作成する場合、以下の表のように要求精度によって基準が異なります。

要求精度 主な適用作業 写真の地上画素寸法
0.05m 出来形管理 1cm以下
0.1m 起工測量または岩線計測 2cm以下
0.2m 部分払い用出来高計測 3cm以下

出典:国土交通省 国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」

写真測量とレーザー測量の違い

精度の基準があるドローン測量ですが、写真測量とレーザー測量という2つの方法についても確認しておきましょう。

写真測量

写真測量は、主にドローンに搭載された高解像度カメラを用いて地表の画像を撮影し、これらの画像からデータを抽出して座標や形状を計測します。

従来と同じく標定点と検証点を設置する方式やRTK(Real Time Kinematic)ユニットをドローンに搭載する方式、ドローンをTSで自動追尾する方式があります。

測量後の3次元点群データへの変換は、SfM(Structure from Motion)によって行われます。

公共測量における要求精度は±5cm以内です。

レーザー測量

レーザー測量は、レーザー光を地表に向けて発射し、その反射光を捉えることで距離や位置を精密に計測します。こちらも要求精度は±5cm以内です。

草木が密生している地域や夜間でも測量が可能な点や標定点の設置が少なく済む点は写真測量と比べたメリットです。一方で、レーザースキャナーや専用の点群合成用ソフトウェアに多額のコストがかかるため、導入のハードルは高まります。

どちらを選ぶかは、測量したい地域の条件や必要な精度、コスト、作業の効率化など、多くの要因を考慮して決めましょう。

ドローン測量の精度を高める方法

使用するドローンの種類や搭載されるセンサー・カメラの性能、気象条件、飛行計画の精密さなどが測量の精度を左右する要素といえます。

公共測量で活用できる正確なデータを得るためには、以下で紹介する取り組みで測量の精度を高める必要があるでしょう。

RTK搭載ドローンと「くみき」を使用

RTKユニットを搭載したドローンは、2つ以上のGNSS測位受信機を使用して位置のずれを補正することができます。

導入によって測量時の位置ずれを最小限に抑えられるだけではなく、リアルタイムでドローンの位置情報を取得することも可能です。


さらにクラウド型のドローン測量サービス「くみき」で撮影データを処理することで、効率化も可能になります。

サイニチドローンスクールではくみきの操作方法を学べる「くみきマスターコース」もご用意しています。気になる方は、ぜひお申し込みください。

PPKシステムの導入

PPK(Post Processed Kinematic)システムは、飛行後に収集したデータを後処理することで、精度を向上させる機能です。PPKの機材をドローンに取り付けて運用します。PPKサービスに対応した機体でないと設置できないため、ドローンを選定する段階から検討しておきましょう。

3Dソフトの連携

最新の3Dソフトウェアは測量に関する性能も高まっており、GCP(標定点や検証点)と組み合わせるだけでも、GPSの精度を向上させることが可能です。

代表的なサービスとしては、建設現場向けの3Dデータ化サービス「DroneDeploy」が挙げられます。

ドローン測量の精度を高めて公共測量に活かす

公共工事ではドローン測量に求められる精度も高く、要求精度は±5cm以内とされています。RTKの搭載やPPKシステムの導入によって、ドローン測量の精度を高めることができるため、現場で活用したい企業は積極的な投資を行いましょう。

同様にドローン測量スキルを持った人材の育成も、精度の高い測量には必要な要素です。


特に、DSEROの「ドローン測量管理士」は、国土交通省の「令和5年度公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」に登録されており、公共工事に関する調査や設計業務において活用が見込まれます。

DSERO認定校のサイニチドローンスクールでは「測量基本技術コース」を提供しており、東日本で唯一「ドローン測量(管理士・技能士)」の資格取得に必要な知識を学べる機関です。ドローン測量に力を入れる企業や測量担当者様はぜひ受講をご検討ください。

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