ドローンの国家資格「⼆等無⼈航空機操縦⼠」取得の流れや合格する方法とは?
2024.5.27
ドローンには国家資格が存在し、取得しておくとさまざまな場面でメリットを享受できます。ドローンの国家資格は「一等」と「二等」に分類されていますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では二等無⼈航空機操縦⼠の概要や、取得の流れ、対策ができるドローンスクールについて詳細に解説します。
ドローンの国家資格「⼆等無⼈航空機操縦⼠」とは
「無人航空機操縦者技能証明」は、国⼟交通省が実施している国家資格制度です。「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2種類があり、二等を取得すると以下のような飛行ができるようになります。
レベル1~レベル3飛行が可能になる
- レベル1:目視内で操縦飛行
- レベル2:目視内で自律飛行
- レベル3:無人地帯での目視外飛行
- レベル4:有人地帯での目視外飛行
カテゴリーⅡの飛行が可能になる
- カテゴリーⅠ:特定飛行に該当しない飛行(誰でも許可申請不要)
- カテゴリーⅡ:特定飛行のうち、ドローン飛行経路の立入管理措置を講じたもの(第三者の上空を飛行しない)
- カテゴリーⅢ:特定飛行のうち、ドローン飛行経路の立入管理措置を講じないもの(第三者の上空を飛行する)
レベル4・カテゴリーⅢ飛行を行いたい場合は、一等無人航空機操縦士の資格が必要です。
出典:国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」
二等資格でドローン飛行の事前申請を簡略化
二等無人航空機操縦士を保有していると、ドローンを飛ばす際の許可申請を簡略化できるケースがあります。
カテゴリーⅡ飛行のうち、以下の条件をクリアすれば許可申請が不要となります。
- 「空港等の周辺、150m以上の上空、催し場所上空、危険物輸送および物の投下、合計25kg以上」のいずれにも該当しない
- 「人口集中地区の上空、夜間、目視外、人や物件との距離が30m未満」のいずれかに該当する
ドローンを使用する仕事には、空撮や点検、測量、農薬散布などがあります。上記の許可申請が必要ないことで、これらの仕事がスムーズに進むでしょう。
また、国家資格を保有していることで、ドローンを扱うプロとしての信頼感が増します。クライアントも安心して仕事を任せることができ、結果として案件と収入の増加につながる可能性が高いのです。
⼆等無⼈航空機操縦⼠を取得する流れ
ここでは、二等無人航空機操縦士の資格を取得する流れをご紹介します。
申し込みの前には受験資格を確認しておきましょう。以下の2つに当てはまれば、⼆等無⼈航空機操縦⼠の試験を受けられます。
- 16歳以上であること
- 航空法の規定により国土交通省から受験が停止されていないこと
技能証明申請者番号取得
まずは「技能証明申請者番号」を発行します。これは、技能証明試験の受験や申請で必要となる番号です。
国土交通省のサイトである「ドローン情報基盤システム2.0」(DIPS2.0)にアクセスし、「技能証明の取得申請へ」というページから手続きを行ってください。
出典:国土交通省「ドローン情報基盤システム2.0」
試験申込システム利⽤者登録
実際の試験は、日本海事協会(ClassNK)が運営する外部サイトを経由して受けることになります。以下のサイトから、試験申込システム利用者登録を行いましょう。
出典:ClassNK「無人航空機操縦士試験」
試験
試験には学科試験・実地試験があり、それぞれ所定の手数料がかかります。
学科試験はパソコン上で出題・解答を行うCBT方式です。二等無人航空機操縦士の試験時間は30分、三肢択一式問題が50問出題されます。出題範囲は、国土交通省が発行する「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠しています。
合格基準は多少変動する可能性がありますが、80%程度に設定されています。つまり、50問中40問以上は正解する必要があるでしょう。
実地試験は、機体の種類・飛行の制限内容ごとに方式が異なります。
- 集合試験方式:回転翼航空機(マルチローター)【基本(昼間、目視内、最大離陸重量25kg未満)、夜間飛行、目視外飛行】
- 出張試験方式:回転翼航空機(マルチローター)【最大離陸重量25kg以上】、回転翼航空機(ヘリコプター)、飛行機
集合試験方式では、定められた試験日のうち都合の合う日を予約し、受験者がその場所に行って受験します。
出張試験方式は、受験日・受験場所・機体等の備品を調整後、受験者の希望する場所に試験員が派遣される方式です。
実地試験の内容は、机上試験、口述試験、実技試験です。100点の持ち点から減点式で採点され、各試験科目終了時に70点以上であれば合格となります。
また、サイニチドローンスクールをはじめとした登録講習機関で受講・修了し、修了証明書を提出すれば実地試験を免除することができます。
身体検査
身体検査は、以下のいずれかの方法で実施します。書類提出の場合は5,200円、会場で受検する場合は1万9,900円の手数料がかかります。
- 有効な公的証明書の提出
- 医療機関の診断書の提出
- 指定試験機関の身体検査受検
必要な検査内容は、視力や色覚、聴力、運動能力などで、それぞれ基準が定められています。基準に満たない場合でも、眼鏡や補聴器などの器具を使って安全が確保されると認められれば、検査をクリアすることができます。
無人航空機操縦者技能証明書の交付
試験に合格したら、DIPS2.0に技能証明合格証明書番号などの情報を入力し、技能証明書の交付申請をしましょう。申請には所定の手数料がかかります。
申請書は航空局で審査され、すべての手続きが完了すると、二等無人航空機操縦士の技能証明書が発行されます。
⼆等無⼈航空機操縦⼠の合格率は?
先述の試験のうち、特に初心者の方にとって鬼門となるのが実地試験です。正確なデータは公表されていませんが、実地試験の合格率は6~7割程度といわれています。これはドローンの民間資格と比べても低い数字で、合格は容易ではありません。
しかし、登録講習機関で特定のコースを修了すれば、実地試験が免除されます。ドローンスクールなどに通って⼆等無⼈航空機操縦⼠に対応したコースを受講することが、合格への近道といえるでしょう。
⼆等無⼈航空機操縦⼠を目指すならドローンスクールでの受講がおすすめ
ドローンの国家資格である⼆等無⼈航空機操縦⼠。取得すると一部の許可申請が不要となったり、仕事を請けやすくなったりするなどのメリットがあります。
しかし、ゼロから独学で合格することは難しいでしょう。サイニチドローンスクールでは、二等無人航空機操縦士の取得を目指せるコースを用意しています。修了すると実地試験が免除されるため、実地に不安があるといった方はぜひ受講をご検討ください。
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