ドローンとラジコンの違いを解説!定義や法律面からの違い
2025.1.20
近年、産業から個人の趣味まで幅広い場面でドローンが活躍していますが、日本でドローンが普及したのは最近のことです。その一方で、ドローンとよく似た「ラジコンヘリ」は昔から存在します。子どもの頃にラジコンヘリで遊んだという方も多いでしょう。そこで「ドローンとラジコンは何が違うの?」と疑問に思われるかもしれません。
この記事ではドローンとラジコンの違いについて、機能面や法律面から解説します。ドローンの操縦をマスターしたい方なら、知っておいて損はありません。
ドローンとラジコンの定義
まず、ドローンとラジコンの定義をそれぞれ見ていきましょう。
ドローン
ドローンは「無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)」とも呼ばれ、その定義は航空法で以下のように定められています。
航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって、構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの
出典:航空法2条22号
つまり、人が乗れない航空機のうち、遠隔操作や自動操縦によって飛行できるものは「ドローン」となります。そのため、ラジコンヘリもドローンの中に含まれるのです。
ラジコン
ラジコンは「ラジオコントロール(Radio Control)」の略で、一般的には無線操縦できるおもちゃや機器の通称として使われます。
しかし、実は「ラジコン」という名前は登録商標であることをご存じでしょうか。1955年、おもちゃメーカーの増田屋コーポレーションが世界初の無線操縦玩具「ラジコンバス」を発売しました。「ラジコン/RADICON」は同社の登録商標であり、他のメーカーが同社の許可なく「ラジコン」と名付けた商品を販売することはできません。
同じく無線操縦できるおもちゃを、「RC」と名付けて販売しているメーカーもあります。
ドローンとラジコンの機能に違いはある?
ドローンとラジコンは機能面でもさまざまな違いがあります。
自律性の有無
自律飛行ができるかどうかは、ドローンとラジコンの最大の違いといえます。自律飛行とは、あらかじめプログラムした飛行ルートに従い、人が操縦せずコンピュータ制御によって自動的に飛行することです。
ドローンには以下のような便利な機能が搭載されており、自律飛行を可能にしています。
- フライトコントローラー
- GPS機能
- ジャイロセンサー
- 加速度センサー
- 気圧センサー
- 赤外線センサー
- 電子コンパス
自律飛行ができることで、ドローンは産業分野などさまざまな場面で活用されるようになったのです。
一方のラジコンヘリは、手動による遠隔操作をしなければ飛行できません。そのため、ラジコンヘリはドローンと比べて操作が難しいといわれています。
プロペラの数と回転の仕組み
プロペラ部分もドローンとラジコンヘリの大きな違いです。一般的に、ドローンは4枚、ラジコンヘリは2枚のプロペラを持ち、回転方法にも違いがあります。
ドローンは、4枚のプロペラをそれぞれ異なる方向に回転させ、バランスを取っています。4枚のプロペラの回転数を変えることで、方向転換やホバリングが可能です。
一方のラジコンヘリは、大小のプロペラ2枚を逆方向に回転させて飛行します。方向転換をしたい時は、プロペラを傾ける操作を行います。
動力
ドローンとラジコンヘリは、バッテリーやモーターといった動力の仕組みも異なります。多くのドローンにはポリマーバッテリーやリチウムイオンバッテリーが採用されており、電池容量が大きく安定した飛行が可能です。
ラジコンヘリは、モーターとエンジンで駆動するタイプが主流となっています。このタイプの機種はハイパワーな飛行ができる一方で、エンジン音が大きく騒音に注意が必要です。
航空法でのドローンとラジコンの扱い
航空法は、ドローンなどの航空機の飛行に際して、安全を守るために制定されている法律です。近年ではドローンが急速に普及していることから、航空法の改正を重ねるなど法整備が進んでいます。
先述のように、ドローン(無人航空機)の定義は「人が乗れない航空機のうち、遠隔操作や自動操縦によって飛行できるもの」です。ここには一般的なドローンとラジコンヘリの両方が含まれます。
この時、重量の規定があることに注意が必要です。航空法第11章では、「人が乗れない航空機のうち、遠隔操作や自動操縦によって飛行できるもの」であり、かつ「機体本体とバッテリーの重量の合計が100g以上のもの」を対象としています。
出典:国土交通省「飛行ルール(航空法第11章)の対象となる機体」
以上の条件に当てはまれば、ドローンもラジコンヘリも「無人航空機」に分類され、航空法のルールを守って飛行させなければなりません。
一方、100g未満のドローンやラジコンヘリは「模型航空機」として扱われます。そのため、模型航空機については航空法が適用されず、「小型無人機等飛行禁止法」が適用されることに注意が必要です。
以下の首相官邸ホームページの図は、少し情報が古いため「200g以上」となっていますが、現在は「100g以上」と定められています。
出典:首相官邸ホームページ「小型無人機・無人航空機と航空機の分類について」
ドローンとラジコンの違いを理解して操縦しよう
ドローンとラジコンヘリは似ていますが、実際には機能面や法律上の扱いにおいてさまざまな違いがあります。100g以上の場合はどちらも「無人航空機」に分類され、航空法の制限を受けるため、きちんと法令を遵守して飛行させましょう。
また、ドローンは自律飛行できるという特徴があり、ラジコンヘリより比較的簡単に操作できます。そのためドローンは初心者にもおすすめです。
サイニチドローンスクールは気兼ねなくドローンを飛ばせる練習場を完備しており、初心者の方も数多く受講しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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